2006年05月05日

山の背くらべ

 石巻山と本宮山は、いつも自分の方が背が高いと言い争いしていた。この日も朝早くから、
「やい石巻山、お前が何と言おうと俺の方が背が高いぞ」
と、本宮山が大声で叫んだ。

 すると石巻山も大声を張り上げ、
「何をこくだ本宮山。俺の方が背が高いにきまっとらー。お前なんかに負けるもんか」と激しく言い返した、両方の山の神様が石をぶつけ合うほどの大喧嘩となった。

 そこで、まわりの山々の神さまたちが集まり、
「このような争いをいつまでも続けさせておくのはよくないぞ。どっちが背が高いか、背くらべをしてやらまいか」
と相談した。神様たちは、石巻山と本宮山の頂上に樋い(とい)をかけ、水を流した。すると、水は石巻山側に激しく流れ落ち、石巻山が負けてしまった。

 この時の、水の流れによって石巻山の頂上の土がドッと流れ落ち、大きな岩がむき出しになってしまった。
 
 そんなことがあってから、石巻村の人々は、石巻山が少しでも高い山になるようにと、
「石巻山に登る時、小石を持っていくと楽に登れるぞん。また、山の頂上に小石を置いて、願いごとをすると、ちゃんと願いを聞いてくれるだに」
という噂話をつくって、言い広めたので、それからは、石巻山に登る人たちは小石を持っては山に登り、頂上に置いて山の神さまに願いごとをした。
「今日は、小石をもっていったお陰で、神さまが助けてくれたのか、こんきく(疲れ)なかったやあ」
と言う人たちが増え、石巻山は小石を持っていけば、だれでも登れる山で、ご利益のある山と言い伝わり、小石を持って登る人々で賑わうようになった。

 また、石巻山の北一キロメートルほどの所に、本宮山との喧嘩で石を投げ合ったとき、飛んできたつぶて石だと言われる岩がある。
 
 このごろは、山上(やまのかみ)石巻神社にお参りする時、麓(ふもと)から小石を持って登り、灯篭にあげたり、鳥居に投げ上げてお参りするとご利益があると言われている。特に子どもがお参りすると、頭がよくなるというので、遠くから子供連れでお参りに来る人もいる。

[注]石巻山(豊橋市石巻町)356メートル
  本宮山(現在の豊川市一宮町)789メートル

豊橋・石巻校区の民話
posted by ハマちゃん at 15:47| Comment(2) | TrackBack(0) | 豊橋の民話集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちは。

石巻山と本宮山って比べるまでもないほど高さが違うよなあ、と思っていたらやはり倍以上の差があったんですね。石巻山も身の程知らずな(^^;。

#個人的には最近石巻周辺の山が削られて、どんどん消えていくのが寂しい…
Posted by ひとぴん@エクステリア明日香 at 2006年05月08日 13:02
ひとぴん@エクステリア明日香 さま
ありがとうございます。

本当に倍以上も差があるのですよね(^^;

本宮山&本宮の湯コースで、背景を訪ねに、行きたいと思っています。

近々、いや、先かもしれませんが、
お楽しみに(^^)
Posted by ハマちゃん at 2006年05月08日 17:32
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